児雷也豪傑譚話
「蝦蟇のようじゅつ おろちの怪異 児雷也がうけつ(ごうけつ)ものがたり」
歌川豊国(三代)/大判二枚続/嘉永5年(1852)/若狭屋与市 (当サイト所蔵)

役者絵ですが、背景に模様を並べてデザイン画風に仕立てたものです。なかなかいい効果が出ているんじゃないでしょうか。
とくに右側の人物。ポーズも決まっていてカッコイイですね。
市川団十郎(八代目)といって、当時の歌舞伎界では人気ナンバーワンのスーパースターでした。
この「児雷也豪傑譚話」は彼の当たり役だったのですが、残念ながら若くして自殺してしまったため、ファン達をたいへん悲しませたそうです。


この絵は、団十郎の着物の表現が特にすばらしいですね。
布の曲面にあわせて柄もちゃんと歪めて描いてあって、すごく立体感が出ています。
着物の下に隠れた体の線や骨格も違和感なく感じられて、ほんとうに生きている人物を見ているようなリアルさがありますね。
摺りも良いおかげで線がバチッと決まっていて、実に心地よいメリハリの効いた画面構成になっています。
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