絵師、彫師、摺師
摺師
こうして版木が仕上がると、最後の仕上げは摺師が行います。
これもただ版木に色を乗せて紙に摺ればいいというような簡単なものではなく、かなりの熟練が要求される分野で、たとえば浮世絵独特の「ぼかし」の技法もこの摺師の技術のひとつ。顔料の乗せ方と水分量、そして微妙な摺り加減だけで見事なぼかしのグラデーションをつけているのです。

▲ぼかしの例(背景、表題、顔)。空の部分は「一文字」という熟練を要する技法。)
また、色ごとに版木を変えて重ね摺りするときに、位置が合わずにズレてしまったりしたのでは、それまでのすべての作業が台無しです。各色を寸分のズレもなくピタリと位置を合わせ、絵を見事に完成させることができるか否かは、すべて摺師の腕一つに託されているのです。
